建築家という職能。 建築家という人間。 建築家という生活習慣や、考え方の思考の癖。はものすごいです。 こだわりや、執着心。感覚的なセンス。 特殊な人間の才能ではないかと思う反面。 それが、逆に怖くもあります。

建築家の妻

建築家の妻が、建築家である夫の日々の名言を忘備録として残したもの

都内駅近ヴィンテージマンションではなく、鎌倉の一戸建て注文住宅に決めた理由 シェアするストレスの最小化

建築家の妻です。

 

最終的に鎌倉に一戸建て注文住宅を建築することになりましたが

 

なぜ一戸建てなのか?

今時マンションの方よくないか?

特に掘出し物のヴィンテージマンションなど

価値が高まっていそうだし

 

確かに

そうです。

そう言われると

一理あるのですが

 

わたしたちもそれなりに考えて判断しましたので

その理由についてお伝えしたいと思います。

 

まず最初にして

大きな選択肢

 

A.おしゃれなヴィンテージマンション

内装を好みにリノベーションして

新築よりもはるかに格安で住まいを手に入れる。

ビンテージマンションで楽しむスタイルのある暮らし

 

B.人生長く楽しむなら一戸建て

注文住宅なら、間取りも外観も思い通り

土地のお陰で自由な日々を手に入れる。

Casa BRUTUS特別編集 美しい家と暮らす。

 

 

漠然とこんな感じで

マンションと一戸建ての違いを考えていました。

 

そして

色々と検討していくうちに

 

税金や管理費など

現実的な問題が見えてくるのですが

 

そこは物件によってうまく解決できたり

生活スタイルにとって、大きな問題ではないはずです。

 

そこが問題だと考えているのであれば

立ち止まって考えることをしてみてほしい。

 

実はそこまで、重要な問題ではない。

結局のところ、あまり金額差はなく

物件選びや、運用方法によってうまくやりくりすることもできるからである。

 

 

マンションor一戸建て

 

生活スタイルによって

人によって

合う合わないというのは

あると思います。

 

 

建築家の夫は当初マンションを探していたのです

それも中古のボロボロ

ただし駅近

中古リノベーションを考えていたのです。

 

比較的に費用も抑えられて

好みの生活スタイルが実現できる

 

それがわたしたちの描いた最初の

理想的な東京都内でのenjoyライフでした。

 

なぜマンションかというと

駅近というのがどうしても譲れなかったのです。

 

そうなると戸建は難しいですし

(そして後々、狭小住宅という選択肢も考えました。)

 

そして、なんといっても

実はミニマルなスタイルに憧れていました。

よく雑誌で紹介されていましたし

 

今のモノをあまり持たない生活スタイル

様々な人とモノを共有する、レンタルし合うこと

 

・例えば車はカーシェア

・服もネットクローゼットを使ったり

・どうしても増えた場合は、レンタル倉庫を使ったり

 

様々なシェアはこれからの社会とマッチすると思ったのです。

 

 

・マンションで比較的狭い40㎡〜50㎡程度

1LDK+αくらいの広さ

 

子供が大きくなれば

間仕切りを増やしたり、寝る場所はどうにかプランで確保して

やってはやれないことはない

 

そういう考えでした。

 

もしくは

賃貸に出すか、売るか考えればいいかなと

東京だと買い手もすぐに見つかりそうだし

値下がりもしにくい物件を選べば

なんとかなりそう。

 

むしろデザイナーズマンションとして

高く売れるんじゃないかと

そんな甘々な考えで

 

本気でそう思っていました。

 

いまでも憧れではあるのですが

 

建築家の夫が

なぜか突然

 

東京で生きていくことに疑問を持つようになったのです。

情報で溢れているのに、何もない空虚感があるなど

なんか息苦しくなったというか

とにかく急に自然が欲しいって言いだして

 

よくキャンプにひとりで行くようになってからですかね。

そう巷で流行っているソロキャンプっていうやつです。

 

色々と考えることがあったのですかね。

 

と話が逸れましたが

 

結局のところ

シェアするって

とてもエコで、社会全体で推進しようとしていますが

 

 

自分のものではないモノを借りるって

少しストレスだなと思いました。

 

いつか返さないといけないし

壊したらどうしよう

 

返すのが遅れたら

迷惑がかかるのではないだろうか

 

そんなことを少しでも考えないではいられない。

今は大丈夫でも、ストレスに感じてしまう時期がくるだろう。

 

例えば、

モノで溢れる世の中から

モノが少ない世の中に変わったら

どうなるだろうか?

 

モノの価値が高まり

利用したいときに、利用できない。

(数が少ないから)

 

 

予約しないと使えない

急には使えない

 

これは都内でのカーシェアの現実かもしれない。

ふとしたときに使えるかというと

 

現実は予約で埋まっていれば利用できない。

前々から準備しないといけない。

 

突発的に動けないことが

 

感覚的に

どう考えてももストレスに感じていたのです。

 

「スケジューリングされた人生を送りたくない」

ということが本質なのだろうか

 

なにか人の動きやモノの流れが

飽和した時に

すごくストレスを感じるのが

目に言えていたような気もします。

 

 

所有することに関して

 

建築家の夫も

良いものを永く使いたい

という考えを持っており

 

少し高価だけど、永く使えるものを購入してきました。

安物買いの銭失いはしない。

 

「良いものは、良いものなりの

手間や気遣いがかけられており

その対価を支払うことで

生活の質は高められる。」

 

デザイン性が高いということでしょうか。

見かけだけのデザインではなく

生活の質に影響を及ぼすような

 

そのような繊細な部分をデザインしているものを

GOOD DESIGN

ときっと呼ぶのでしょう。

 

 

そういう意味で

マンション、中古マンションというのは

ひとつの土地を皆でシェアして

いつか返さないといけない

 

仮住まいのような場所だと思うのです。

 

いつか返さないといけない

と考えながら生活することは

 

頭の片隅に

ストレスを感じることではないのか

と思ってしまったのです。

 

 

しかしながら

そんなことを言ってしまえば

 

一戸建て住宅だって

お隣さんがいたり

町をシェアしているだろう

 

という気もしてくる。

町は皆でシェアするが

 

土地は自分のだけのものである。

好き勝手に使えるし

 

永久的にその土地

そして土地に建つ、建物は

自分だけのものである。

 

一戸建てを選んだ理由は

そういうストレスを

 

できるだけ少なくしたいということだと

そう思うようにしているのです。