建築家という職能。 建築家という人間。 建築家という生活習慣や、考え方の思考の癖。はものすごいです。 こだわりや、執着心。感覚的なセンス。 特殊な人間の才能ではないかと思う反面。 それが、逆に怖くもあります。

建築家の妻

建築家の妻が、建築家である夫の日々の名言を忘備録として残したもの

窓の位置、種類などの選定基準となる方針は”施主自身”が決めた方が満足度の高い家を建てることができる。

新築戸建て住宅を計画する際に

やはり気になる窓。

 

WindowScape 3 窓の仕事学

WindowScape 窓のふるまい学

WindowScape 2 窓と街並の系譜学

 

考えても

考えても

まとまらない考え

 

果たして

窓をどこに設置するのか

どのくらいのサイズが必要なのか

どの種類の窓がいいのか

 

さまざまな考えることが多くて

設計士さんに任せっぱなしになっているかもしれませんが

 

使い勝手により

窓の種類の選び方が変わるので

それもまた考えなければならない

 

これは施主自身で

ある程度使い方を想定しておくべき

大切なことだと思います。

 

もちろん

設計士から

使い方の提案は受けるべきではありますが

最終的な決定は

施主が納得して決めた方が

後々の満足度が高くなると思います。

 

うーん

でも

 

使い勝手って

何に使いたいのか

 

正直あまりわからないし

なぜその窓は必要なのか

 

考えたこともあまりないかもしれない。

 

そこまで

難しく考える必要はなくて

 

そもそも

窓の機能は

主に

”3種類”の役割しかありません。

 

 

①採光

光を建物の中に取り込む

 

②換気

新鮮な空気を建物に取り入れたり

古くなった空気を外に出したり

 

③出入口

外と内の行き来をする。

玄関、テラスなどに設置する扉ですよね。

 

つまり

①光

②空気

③人やモノ

 

が建物の

外と内

を行き来できるようにする役割が

窓には有ります。

 

これしかありません。

 

 

より専門的で建築的な言い方をすれば

窓というより

開口部ということだと思います。

 

 

開口部の選択方法として

3つの種類

3つの機能があるわけですから

 

これが

使い勝手に直結します。

 

 

①光

例えば

部屋の中に

光を取り入れたいのであれば

最も効率が良い設置の場所を考えたいですよね。

 

建物の外部に

影にならなそうなところ

 

例えばとなりに家があれば

影になる部分には避けて

少し高い位置に窓を設置する。

 

影になるところに設置しても

光を効率よく取り入れることはできませんから

 

 

ただどのような光を取り入れたいのか

・南からの直射日光が良いのか

・北から間接光を取り入れたいのか

 

うーん

部屋の用途によっても

光の取り込み方は異なるかと

 

 

たとえば

リビングでは

たくさん光をとりいれたいかもしれないし

 

読書をする

図書スペースのような場所では

柔らかい光がいいのかもしれない

 

 

これらは

設計者が判断して

選択するのではありますが

 

建物の家主の

使い勝手、使い方によるところが

大きいと思います。

 

 

②空気 

空気の流れについて

 

そう

換気も同様です

これは

建物の形状や

プランにより

 

最適な給気、排気

のための開口部の位置がありますから

 

少し専門的になります。

多くは

 

建物の低い場所が「給気」

建物の高い場所が「排気」

 

というように

位置を決めると

 

空気の流れを生み出すことができます。

 

 

またその場所固有の

風向きも大切です。

”北向き”なのか

”南向き”なのか

 

朝と夕方では風向きがガラッと変わるかもしれない

 

その向きに対して

迎えるように窓を設置する方が

効率方に空気の流れを取り込むことができます。

 

 

なので

たとえば

朝は北側

夕方は南側

の風向きであれば

 

北側と南側の両方に

高い位置、低い位置の

換気のための窓

計4か所

設置すれば

 

効率よく

換気のために窓を

機能させることができると考えられます。

 

 

③人とモノ

人やモノの出入りについては

 

外とどういう関係を持つのか

どういう使い方をしたいのか

 

により

扉がいいのか

引戸がいいのか

 

はたまた

大胆にフルオープンにしたいのか

 

それらの

外との関わり方によって

扉のサイズや種類が変わってくるべきだと思うのです。

 

 

また、

扉の種類はいくつも選べますが

窓はもっとバリエーションがあります。

 

・引き違い窓

・嵌め殺し窓

・縦滑り出し窓

・横滑り出し窓

・外倒し窓

・内倒し窓

・ルーバー窓

などなど

 

これらは、個々の形状の違いから

光、空気(換気)だけでなく

・窓の設置位置

・外との関係

・内との関係

 

から考えるのですが

得手不得手があるので

最適なものを選びましょう。

 

使い勝手が明確にできて

窓の種類も最適なものを決められる

 

 

そうすると

建物の外形が

洗練されてきて

 

自ずとシンプルになります。

そして無駄が省かれるので

 

 

実は

窓も少なくて良かったり

コストを安く抑えられます。

 

・建物がシンプルで美しくなる。

・機能も明確でスッキリする。

・金額的にもお得になる。

 

など

施主のメリットがかなり大きいと思います。

 

これらが

最終的には

建物を建てた時の

満足度の高さに結びついているのではないかと

 

そう

思うのです。